HOW MANY S凸UDS TO LEGOLAND ?

レゴランドまで何ポッチ?旧世紀に最も賞賛された玩具への追憶と追悼
新部品がリリースされる事で、新たに出来上がるビルドには2種類あります。
ひとつは、新部品無しでは完成しない、従来表現では不可能だった、文字通り新部品ありきの作品。
そしてもうひとつが、新部品にインスパイアされビルドを始めたものの、完成してみれば従来部品でも構成できた作品。
この2種類は実は、いずれも「新部品がリリースされることによる新作」と言えます。
前者は議論の余地無くそうだとして、後者における「新部品リリース」が果たした役割とは、「注意力」や「試行してみようという興味」、そういった脳味噌のリソースを新部品の周囲に向け、方向付けたという効能です。

今回を例に挙げるならば、新骨胴の登場によって新たに完成した新骸骨モンスターは、世界中でかなりの数にのぼることでしょう。たとえそれが従来の骸骨胴で構成可能なものであったとしても、それを完成に至らしめた「熱」は、やはり新骨胴のものなのです。

ではHOWCONは何故、敢えてその芳醇な外縁部を切り落とし、ストイックなまでに新部品の使いこなしを要求したのか?
以下の作品を鑑賞しながら、考えてみてください。どうしてか分かったらコメント欄に残してください。その中に良さそうな考えが見つかれば、「まさにその通りだったのです」と応える作戦です。
 
 
『スカドルー』の魅力に関しては、既に多くの言が割かれているので、殊更に繰り返す必要は無いでしょう。『骸の王』と併せて会衆の支持を得たことを思う時、LEGOというロゴスなデザインを愛しながらも異形とカオスに魅せられてしまう---「骨」テーマの本質を、垣間見た気もします。

『骨魚』のキーワードは「シンプル」です。日常で最も多く見る骨の一つである魚の骨。見立てもそのまま、部品も必要最低限、肩の取り付け角度も自然にヒレの傾きに活かし、参加者の多くが制作コメントの文字数制限に困っている中、14文字でまさに一言。
敷き詰められた青ブロックを始めとする背景の作りこみ、白ポッチスロープx6、海藻への接続法。「シンプル」な表現は製作過程も「シンプル」だ、とは、一概には言えないものです。

『骸骨馬王子』も、かなり「シンプル」。まだ子供なだけに頸の据わりも落ち着かないでしょう、これ。
「骨胴を使用して敢えて骨馬」というプレゼンテーションは、次点の『SKELETON CREW』も同様でしたが、素朴な力強さと説明キャプションの妙が上位獲得の秘訣かもしれません。
頭のバリエーションや尻尾の処理など、もう一練りがあればさらに上も狙えた気がしますが、裏を返せば「考えて無いっぽさ」がこの作品のパワーに繋がっている気もいたします。

『05852』は、上記作品群と相俟って1テーマコンテストの面白さを印象付けてくれる一作です。
まず「骨」と「魚」という着想で、『骨魚』とのデザイン差異がここまで出るのが面白い。深海魚をイメージして作られたであろう本作は、『スカドルー』同様、細かな部品の積み重ねで形状が見えてくる---「狙い通り出来た」と「何となくこの形アレに見える」の中間を行き来するスリリングな過程---を経て完成を見たと思わせます。
目の角度をこれ以上下げると、挟み込んでいるだけの提灯基部はポロリと取れてしまう、アゴは白輪ゴムで結い下げるだけ、とフリー部門のレギュレーションを如何なく利した部分も注目。

「骸骨を重ねて使う」というアプローチが独特で面白かった『White Bird』
巨鳥の遺骸←→飛行機械のせめぎ合いから、駆動部やカウルにもう少し骨色以外の差し色があっても良かったかな…とか、着陸脚に一工夫あればな…とか、好みの分野だけにいろいろ思ってしまいます。でも、そんな個人的嗜好は「テーマ部門3位、フリー部門5位」と言うHIROさんの総合優勝的な成績の前には無意味かも知れません。


「フリー」と言いながら「フリー」ではない。
コンテストに架せられたハードル、レギュレーションの足枷は、創作の閃きを鈍らせ、作品応募数は、明確な方向性と安心感のある「テーマ部門」の半分に留まりました。
いや決してアゴガックン城に魅力が無かったからじゃないですよね?
ですが厳しいその峠を越えてきた作品群は、何れもオンリーワンの魅力を放つ快作/怪作揃い。募集した甲斐がありました。応募してくださった皆様に、改めて感謝と敬意を表します。
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